獣医疫学メモ帳

獣医疫学(に関係ないかもしれない)メモ帳。

さくらのレンタルサーバ+リバースプロキシ+WordPressでウェブサイトを動かす

研究室のウェブサイトを公開しようとしたらハマったので。
ウェブ関係全く詳しくない人間が手探りで問題解決した記録です。

前提

  • 研究室ウェブサイトをWordPressで作成
  • 大学提供サーバー(中身はさくらのレンタルサーバ)では同一ウェブサイトに https://大学アドレス.ac.jp/研究室名/ と https://xxx.sakura.ne.jp/ の2つのアドレスでアクセス可能(リバースプロキシ?)

問題

https://大学アドレス.ac.jp/研究室名/ でアクセスすると、https://xxx.sakura.ne.jp/ にリダイレクトされる。
https://大学アドレス.ac.jp/研究室名/ でアクセスしたい)

解決策

さくらのレンタルサーバ

ドメイン設定の

  • HTTPS転送設定:OFF
  • www転送設定:WordPressの設置先 または 転送しない

これを間違えるとリダイレクトループにハマる。

WordPress

設定>一般設定で、

以上の設定で https://大学アドレス.ac.jp/研究室名/ から https://xxx.sakura.ne.jp/ へのリダイレクトは止まったが、スタイルシートが崩れている。
Google Chromeデベロッパーモードで確認するとMixed contentエラーが起きていたので、プラグインで強制的にSSL化する。

プラグインの「SSL Insecure Content Fixer」をインストールし、

  • 非セキュアコンテンツの修正方法:シンプル(既定)
  • HTTPSの検出方法:HTTPSを検出する方法がない

間違えるとリダイレクトループ。
ちなみに「Really Simple SSL」も試したがこちらでは上手くいかなかった。

「さくら リバースプロキシ WordPress」とかで検索すると「wp-config.phpを編集する」的内容が多く出てくるが、wp-config.phpを編集する必要は一切なかった。(少なくとも自分の場合は)
むしろ下手に編集するとリダイレクトループにハマる。

また、私の場合はこれに加えて以下の設定を行ない、WordPressドメイン直下URLで表示している。
[WordPress]サブディレクトリにインストールしサイトURLをドメイン直下に変更する方法 - Qiita

獣医疫学関連の論文ガイドラインまとめ

獣医学疫学関連の論文を書くにあたって参照するといいかもしれないガイドラインのまとめ。
ガイドラインの一覧はJournal of Dairy ScienceのInstructions to Authorsから抜粋。
ガイドラインのチェックリストの提出が必須の雑誌もあるので要確認。
論文を書きあげてからガイドラインに沿って書きなおすのは相当面倒くさかったので最初からガイドラインを参照しましょう。

REFLECT:家畜のランダム化比較試験

REFLECT: Reporting Guidelines for Randomized Controlled Trials in Livestock and Food Safety
内容説明:The REFLECT Statement: Methods and Processes of Creating Reporting Guidelines for Randomized Controlled Trials for Livestock and Food Safety

医学分野で用いられるCONSORT声明(ランダム化比較試験の結果報告のためのガイドライン)を家畜用に修正したもの。
日本語訳なし。

ARRIVE:in vivo実験

ARRIVE: Animal Research: Reporting of In Vivo Experiments]
内容説明:Reporting animal research: Explanation and elaboration for the ARRIVE guidelines 2

ARRIVE 1.0の日本語訳あり(ただしARRIVEの最新版は2022/04/08現在で2.0)。
ARRIVE 2.0の日本語訳は見つけられなかったが、実験動物ニュース Vol. 70 No. 4に日本語で要旨が記載されているため参考になるかも。

PRISMA:システマティックレビューおよびメタアナリシス

PRISMA: Preferred Reporting Items for Systematic Reviews and Meta-Analyses
内容説明:The PRISMA 2020 statement: An updated guideline for reporting systematic reviews

日本語訳あり。

STROBE-Vet:獣医学分野の観察研究

STROBE-Vet: Strengthening the Reporting of Observational Studies in Epidemiology – Veterinary Extension
内容説明:Explanation and Elaboration Document for the STROBE-Vet statement: Strengthening the Reporting of Observational Studies in Epidemiology – Veterinary extension

医学分野で用いられるSTROBE声明(観察研究の結果報告用のガイドライン)を獣医学用に修正したもの。
日本語訳なし。気力があったらそのうち訳します。

Meridian Network:その他様々なガイドラインのまとめ

Meridian Networkに他様々なガイドラインがまとめられている。

自然宿主とレゼルボアの定義の違い

結論

自然宿主:自然の状態でウイルスが伝播され存続する場となっている生物
レゼルボア:病原体がそこで複製・増殖し、感受性宿主に伝播される状態になっている生物および非生物
(少なくとも2022年4月1日時点での獣医学教育モデル・コア・カリキュラムにおいて)

経緯

突然自然宿主とレゼルボアの違いが気になったので調べてみた。

論文

Viana et al., 2014

Assembling evidence for identifying reservoirs of infection  

reservoir of infection: one or more epidemiologically connected populations or environments in which a pathogen can be permanently maintained and from which infection is transmitted to the target population

Haydon et al, 2002

Identifying Reservoirs of Infection: A Conceptual and Practical Challenge

Many different and often contradictory definitions of reservoirs exist.

Abstractにも記載があるが、reservoirの定義はしっかり定められていない。
この論文では

one or more epidemiologically connected populations or environments in which the pathogen can be permanently maintained and from which infection is transmitted to the defined target population

という定義を提唱している。

Wikipedia

Host (biology) - Wikipedia

Host (biology) - Wikipedia
Natural reservoirの記述はあり。
Natural hostという単語はない。

書籍

New Directions in Conservation Medicine: Applied Cases of Ecological Health

New Directions in Conservation Medicine: Applied Cases of Ecological Health
"Natural reservoir"と比較して"Inicidental or accidental reservoir host"という単語が出てくる。
reservoirってnaturalな物だけではないの……? と一瞬混乱した。

教科書

2022年4月1日時点獣医学教育モデル・コア・カリキュラム準拠

獣医疫学〈第三版〉(近代出版

宿主の記載はあったが自然宿主の記載はなし。
レゼルボアの定義は「病原体がそこで複製・増殖し、感受性宿主に伝播される状態になっている生物体や周辺環境(非生物)」。

動物の感染症〈第四版〉(近代出版

宿主の定義について記載はないが「宿主(動物)」との記述があり。
レゼルボアの項のには「病原体がそこで生活・増殖し、感受性動物に伝播される状態になっている場所」「必ずしも生物である必要はない」とある。

獣医微生物学 第4版(文永堂出版)

自然界で自然の状態でウイルスが伝播され存続する場となっている動物が自然宿主natural hostであり,(中略)自然宿主は長期間ウイルスを保持,排泄する保有動物(レセルボアreservoir)である

病原体ではなくウイルスと表現されているのはウイルスの節に記載があったからだと思われる。
レゼルボアに非生物を含むとしている前述2冊と異なり、動物に限定しているようにも読める。あるいは前述通りウイルスの節での説明なのでレゼルボアを動物に限定している可能性もある(非生物においてウイルスが増殖しないため)。

まとめ

Reservoirの定義はしっかりしていない(Haydon et al, 2002)。
少なくとも日本の獣医コアカリにおいては「病原体がそこで複製・増殖し、感受性宿主に伝播される状態になっている場所(非生物を含む)」とするのが一般的か。

感想

横着せずに最初から教科書を調べるのが早かったな……。
感染症関連の教科書では大体レゼルボアの定義は記載してあるんだけど自然宿主は載っていないことが多かった。